代表 関口直直人
2004年ガンビア共和国へマンディンカ族の伝統打楽器ソウルウバを学ぶため初渡航しました。内陸の村に住むマンディンカ族のソウルウバマスターの家に滞在し、その家族達とおよそ2年半生活を送りました。ガンビア、セネガル各地を旅をしました。当時その村は電気は来ておらず、スマートフォン、携帯も普及する前で村にはテレセンターと呼ばれる場所があり1つの固定電話を村人が共有していました。

伝統的な土壁に藁葺き屋根というアフリカンハウスで生活した経験はとても貴重な時間でした。2011年より毎年渡航、2014年頃より都会部に生活の拠点を家族と生活をしています。現地の演奏グループに属し練習や演奏活動を続けています。およそ年の半分を現地にて生活しています。時に通年過ごすことも、コロナの影響もあったここ数年は約3年と長めの滞在となりました。

マンディンカ族の伝統打楽器ソウルウバ、現地では通称タンタンと呼ばれ主にガンビア、セネガル南部、ギニアビサウで演奏され文化圏を持ちます。この地域ではとてもポピュラーな大衆音楽です。農作業、結婚式、命名式、割礼、地域の集会やサッカーの応援など様々な場面で演奏されています。演奏家は古来より受け継ぐリズムを奏で現場で伝統文化を密接に支える役割を果たしています。

しかしその魅力ある伝統音楽文化やガンビア共和国という国の国際認知度はとても低いのが現状です。伝統音楽家の生活はとても厳しく不安定です。不定期に入る演奏依頼の収入が頼りです。誉めそやられたエネルギーのある成年期時代を過ぎると演奏の依頼は減り、引退後は収入を得ることが難しくなります。年金や社会保障はないので特に家族や労働力が少ない人ほどその生活は困難になります。
古来の知恵を時間をかけ受け継ぎ受け伝えて来た彼らの生きた証がこれではあまりにも報われないと強く思いました。その思い経験からこの伝統文化をより多くの人へ伝え、伝統音楽家の活動の場を増やすため活動を行いたいと思いました。