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ガンビアと歩む会 会報Vol,3 2025 April

•第1回OMUSUBI CUPサッカー大会 Feb 2025

2024年度の振り返り

ガンビアと歩む会 代表 関口直人

3月29日にラマダン(イスラム教徒の断食月)が終了しました。国民の約95%がイスラム教徒のガンビア共和国では、ラマダン期間中、太鼓や音楽の演奏などは自粛されており、普段より静かな時間が過ぎていきました。

2024年を振り返ると、自身にとって大きな出来事が4つありました。まず1番にくるのは、私事ですが、1月に現地で実子を授かりました。隣国の在セネガル日本大使館で出生登録手続きや現地の伝統様式にて新生児の誕生を祝う儀式を実施し、初めての子育てに奮闘、またたく間に月日が流れていきました。

次にくるのが、本業でもある音楽家としての仕事です。郵船クルーズが主催する「2024年 世界一周クルーズ」(ケープタウン〜カナリア諸島航路)に、当団体会計、コラ奏者である杵渕ちひろと共にアフリカ音楽演奏家として共に乗船。アフリカユナイトの一員として、マンディンカ伝統打楽器・ソウルウバのパフォーマスを披露しました。

3つ目は、ガンビアの素晴らしさを知ってもらうための活動。実子の命名式が行われた2月から7月にかけて、4名の日本人がそれぞれの目的でガンビア共和国へ訪れ、ホームステイのホストとして受け入れを行いました。個人の旅の目的に適したプランをコーディネートしました。

中でも印象的だったのは、18歳の男子高校生が卒業旅行に、初の海外でガンビア共和国へ訪ねてきたこと。スタディーツアー企画をサポートし、親子で「一生の思い出となった」という言葉をいただき、自身にとっても貴重な体験となりました。

•ガンビアスタディツアー2024 (クンタキンテ島)

その間、ツアーコーディネーターとしてだけではなく、ガンビア共和国で使用されている現地語、マンディンカ語の初級オンラインレッスンを7名の日本人へ向けて、3カ月間合計8回に渡って開講。参加者には、これからアフリカの地に旅立つ人、専門職の分野で関心がある人、習い事の一つとしてなど、それぞれが高いモチベーションを持って語学習得に取り組んでおり、次回開催のご要望もいただいております。

一時帰国をしていた8月〜12月の間は、トークセッションやソウルウバのコンサート、アフリカンキッズ倶楽部での演奏など、イベントを中心にガンビア共和国のPRに努めました。

そして最後に、本年2月に現地で開催したサッカー大会”OMUSUBI Cup”です。地域の公立へ通う小・中学生を対象にし、参加する公立校へはサッカーボールを寄贈、さらに開催日には炊き出しを行いました。このイベントの詳細は当日の写真も含め、ホームページにも記載しておりますが、各学校の校長先生、地域の教育関係者からも好評をいただき、「来年以降も継続して実施してほしい」と伝えられました。

スポーツ以外の分野においても、ガンビア共和国と日本の友好関係を築き、文化交流となる企画や催しも実施していく予定です。

現地の子供たちが笑顔になり、皆が楽しめ、継続した通学や復学、夢を追う後押しとなる支援をできるように願い、今年も活動していきます。

【2025度上半期活動予定】

・ガンビア共和国マンディンカ伝統打楽器ソウルウバCD制作販売。

・現地音楽家演奏音源をストリーミングサービスなどのオンラインプラットフォームで配信。

・日本でワークショップ(料理、ドラミング等)やトークイベント、イベント企画参加

・中期総会

当団体の活動指針の1つとして掲げるガンビア共和国の伝統音楽の認知拡大。
マンディンカ族の伝統打楽器ソウルウバをより多くの人へ広め、現地ミュージシャンの活動の場を増やすサポートを実施しています。

2025年度は以前から現地で収集を続けている音源を整理し、ブックレット付きCDの制作・販売を企画しています。

西アフリカのガンビア、セネガル南部、ギニアビサウ地域において非常にポピュラーであるこの大衆音楽ですが、世界の音楽市場では、音源はもちろん、情報すら乏しいのが現状です。時代と共に変化を続け、伝承される“口承伝統音楽”の今を伝えるという意味では、歴史的な資料としての価値にも注目しています。

世界にはまだまだ素晴らしい伝統文化があることを伝えていくことができれば、現地の伝統音楽家それぞれが、伝統音楽家として生きてきた1つの証となります。

伝え方もオンオフ問わず、ストリーミングサービスなどオンラインプラットフォームに現地音楽家の音源をアップロードしていくサポートもしていきたいと考えています。

一時帰国まで間もなくですが、こちらに滞在している期間中はソウルウバの説明や解説などをYouTubeを使った動画配信をしていく予定です。

そして日本へ帰国後は、ドラミングだけでなく、料理やトークなどのイベント、コンサートや演奏会、現地ゆかりのローカルプロダクト販売など引き続きガンビア共和国の啓蒙・PR活動を続けていきます。

【2025年度下半期 企画案】

➊現地ツアー、ガンビア共和国のルーツを巡る旅(仮)

昨今の流行病の影響で、ガンビア共和国の観光業も例外ではなく、大きなダメージを受けました。それも回復の兆しが見え、ヨーロッパやスカンジナビア半島を中心に、まだまだ少数ですが日本からの観光客も以前に比べて増加しています。

ご存知の通り、日本からは地理的にとても離れており、ガンビア共和国の情報が少なく、既存のツアー自体も少ないため、たとえ渡航に関心がある方でも、初めの一歩が踏み出しづらいのが現状ですその様な方々はもちろん、歴史や音楽、文化愛好家へ向けたツアーを提案・企画し、実施するための調整を行っていきます。たとえば、ガンビア共和国は1976年アレックス・ヘイリー原作、テレビドラマ「Roots」の主人公クンタ・キンテの故郷です。ガンビア共和国のルーツを巡る1週間ほどのツアーを想定。隣国セネガルと2カ国にまたがる旅、既存のツアーにはない伝統音楽やリアルなアフリカ文化に触れる旅をサポートをしていければと考えています。もちろん、個人的な要望にもより添い、その人だけの旅のカスタマイズも行っていきます。

❷フレンドリーホームステイ

ガンビア共和国の公用語は英語です。英語を日常的に使用するホストファミリーのお宅にお世話になるホームステイを考えています。利用者の英語力の向上はもちろん、文化的な交流を深めることを大切にできるよう、先方とも協議を重ねてきました。ホームステイ先は、日本滞在経験もある、現地提携団体JICA Alumni Associationメンバーなので、安心して滞在していただけます。

❸ガンビア製品の国内輸入販売

Made in Gambia 製品の販売を試験的に開始します。業務用委託販売、個人向けのオンラインストア、イベントやファーマーズマーケットでのポップアップなど、継続的に販売し、利益の一部を現地生産者に還元。団体活動を持続的に運営するための資金にします。自然な原材料を使い、商品を現地で生産からパッキングまで行う持続継続可能なエコファームを作り、雇用を創出する産業にする壮大な夢を描いています。

❹お知らせ

「2024年会報 Vol.2」でお伝えした隣国セネガル共和国で開催のJLPT(日本語能力試験)が、2024年12月、首都ダカールで初めて実施されました。合格者の中にはは日本で働くための特定技能制度資格取得を目的とする方も多くいます。首都ダカールの他、地方や隣国にも日本語教育の需要が高まることが予想されます。ガンビアでの日本語指導サポートの要望も昨年より引き続き受けていることから、当団体としてサポートできることは全力で協力していきたいと考えています。(私自身も日本語教育指導のための資格取得や講習会に参加していきます)

❺ご寄付ご協力のお願い

「ガンビアと歩む会」では活動趣旨に賛同された皆様の温かいご芳志を、一口1,000円から募っております。

■振込先
城北信用金庫 ジョウホクシンヨウキンコ
浮間支店 ウキマシテン
店番号 032
普通口座 0017329
口座名義 ガンビアトアユムカイ

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